Column

患者はなぜ診療を中断するのか

糖尿病患者の状況

厚生労働省が公表した「平成28年国民栄養調査結果の概要」によると、「糖尿病が強く疑われる者」は約1,000万人と推計され、平成9年以降増加しています。また、「糖尿病の可能性を否定できない者」も約1,000万人と推計され、平成9年以降増加していましたが、平成19年以降は減少に転じています。


「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数の年次推移(20歳以上、男女計)(平成9年、14年、19年、24年、28年)


「糖尿病が強く疑われる者」のうち、現在治療を受けている者の割合は76.6%で、男女別にみると男性で78.7%、女性で74.1%であり、男女とも有意に増加しています。糖尿病という疾患についての理解が進み、糖尿病を放置することのリスク、継続的に治療を受けることの意識した結果が表れていると類推されます。


「糖尿病が強く疑われる者」における治療の状況の年次推移(20歳以上、総数・男女別)(平成9年、14年、19年、24年、28年)


一方、性・年齢階級別にみると、「40歳代男性」では治療を受けている割合が他の年代よりも低く、48.5%もの人が治療を受けていないのです。仕事で忙しい働き盛りの40代の患者が受診できていない現状が明らかになっています。


「糖尿病が強く疑われる者」における治療の状況(40歳以上、性・年齢階級別、全国補正値)


診療中断を乗り越えるためには

糖尿病のような慢性疾患については、継続的な治療が大切なことは言うまでもありません。しかしながら、治療が長期に渡るため、診療中断が起きやすいことも、様々な論文で指摘されています。

診療を中断せざるを得なくなる原因は患者それぞれ異なりますが、「仕事が忙しく受診できない」「治療費が経済的負担になる」「通院しなくても大丈夫だ(治った)と思う」などの理由が考えられます。これらの理由の対策として、医療機関では、予定日に受診しなかった患者に電話や手紙、メールなどで受診を呼び掛けることなどをしています。患者に積極的に働きかけを行うことで、再度受診を促せると期待しているのです。

オンライン診療を利用して受診機会を増やすことが可能

また、慢性疾患の診療中断の原因の一つである「仕事が忙しくて受診できない」という理由については、患者が受診しやすい環境を作り出す必要があります。仕事を持っているサラリーマンにとって定期的な診療は非常に高いハードルとなり、ひとたび診療を中断すれば、そのままずるずると医療機関への足が遠のいてしまうのではないでしょうか。

そこで、平成30年度(2018)改定で評価された「オンライン診療」および「オンライン医学管理料」は、情報通信機器を利用することで、患者は医療機関に通院しなくても受診できる仕組みです。自宅や会社の会議室からでも受診が可能になるため、受診機会(選択肢)が増えるのです。外来診療とオンライン診療を組み合わせて上手に活用することができれば、診療中断を改善する効果を生み出すことが可能だと考えます。

著者紹介
大西大輔
MICTコンサルティング(株)
トップへ戻る

手のひらに いつもの先生を

MediTelを利用することで患者さんに来院してもらう必要もなく、
診察室で待たせることもなく診察を行うことができます。
オンライン診療という新しいスタイルでより選ばれるクリニックへ。