Column

オンライン診療の現状・活用事例

2018年の診療報酬改定で、ビデオ通話などを利用したオンラインでの診療について「オンライン診療料」が新設されました。オンライン診療は今回の評価によって、一気に普及が進むと予想されていましたが、実績の乏しい診療スタイルについて、エビデンスが不足していると考えた政府は、周知のとおり、多くの制約が設けることで、スモールスタートを余儀なくされています。

サービス拡大に向けた新たな取り組み

そこで、現状このままでは、拡大は難しいと判断したサービス提供を行う企業は、新たなオンライン診療システムの活用方法を模索しています。新しいサービスを広く認知させるためには、機能を加えたり、他のシステムと連携することで価値を向上させたり、導入にかかるハードルを下げたり、新たな活用方法を提案したりすることが必要なのです。

新たな機能で付加価値向上

オンライン診療を行うサービスには、主に「ビデオ会議」と「カード決済」、「予約」などが基本的な機能として搭載されています。それらのサービスに加えて、血圧計や体重計、歩数計などと連携し、バイタルデータを管理する機能を追加することで新たな価値を付加しようとする試みも始まっています。従来、生活習慣病の治療の一環で、家庭血圧や体重、歩数などを「生活管理手帳」に患者自らが記載して、受診の際に持参してもらっていましたが、IoT(Internet of Things)の技術を活用することで、自動的に管理することが可能となるのです。バイタルデータを確認しながら、オンラインでのフォローが可能になります。

組合せで付加価値向上

また、患者さんが直接問診入力を行えるシステムも出てきており、バイタル情報や問診情報など患者情報を電子カルテにつなげようとする試みも始まっています。医療機関の中核システムである電子カルテと繋げることで、患者さんとのインターフェイスとして活用しようとしているのです。

無料モデルで裾野を広げる

オンライン診療には、当然システム導入に費用がかかります。現在の点数設定では、費用回収が難しいため、イニシャルコストを無料にしたり、ある一定受診数まではランニングコストも無料にするメーカーも出てきています。まずは無料で利用してもらいユーザーになってもらうことで、その良さを分かってもらおうとする試みです。「無料だから、試しに使ってみるか」という層を取り込み、次の改定での本格的評価までに準備してもらおうとしているのです。

サービス提供先の変更

オンライン診療のサービスを、保険診療で算定するのではなく、企業健診や特定健診などのフォローアップに利用しようとする試みです。実際には健保組合などでの特定健診指導での利用や、禁煙サポートに活用する事例が出てきています。

今後の普及に期待

これらの試みは、今回のオンライン診療に対する評価に一喜一憂するのではなく、あくまで規制緩和の最初の段階であると認識し、次回の改定で大きく飛躍することを期待して、サービスの認知、裾野の拡大を図ろうとするものです。

また、次回改定での実現に向けて実験が始まっている「オンライン服薬指導」と組み合わせることで、新たな価値が創出できるのではないかと考えられています。患者の立場では、診療所に通うことなく、家に居ながらにして診療が受けられるサービスは、大変魅力的で、是非使いたい診療サービスですから、様々な経験を蓄積し、今後普及が進んでいくことを期待します。


オンライン診療の活用


著者紹介
大西大輔
MICTコンサルティング(株)
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