Special Interview

オンライン診療のニーズに応え、
診察を受けるハードルを低くしたい

西小山クリニック 小林大樹 医師

2015年に母親からクリニックを受け継いだ「西小山クリニック」の小林医師。当初、小児科と皮膚科領域ではオンライン診療は関係ないと考えていたとのことですが、2019年2月にオンライン診療を開始しました。MediTelを導入してオンライン診療を始めることになった経緯や、オンライン診療のメリット、導入する際の心構えなどについて伺いました。

オンライン診療のきっかけは対面診察の予約制導入

オンライン診療を導入することになったきっかけは、対面診察のオンライン予約システムの導入です。

現在は完全予約制ですが、クリニックを受け継いだ当時は予約制ではなく、来た人から順番に診ていく順番制でした。当クリニックの診療科目は小児科と皮膚科で、小児の発熱やおねしょ、アトピー性皮膚炎やニキビ治療などを診ています。一人あたりの診療時間は約10分と比較的長めです。一度に多くの患者さんが来られたときには、3時間待ちということも少なくありませんでした。当時の状況では、オンライン診療を行う余地は全くないと考えていました。

ただし、順番制のままでいいとも思っていませんでした。午後の診察で患者さんが多い時には、診療時間を延長することもあり、夜が遅くなると近所の薬局は開いておらず、薬が受け取れない事態が発生していました。また、クリニックには様々な業者の方も出入りしていますが、相手は業務として来るので残業を強いらせることになります。もちろん、当クリニックの受付スタッフの残業時間も増えることになりました。

このような状況を改善するために2018年7月に順番制を廃止し、オンライン予約システムを導入しました。30分ごとに枠を作り、1枠につき3人まで予約できるようになっています。予約は、緊急性のある疾患に対応できるよう、前日の19時から受け付けるようにしています。もし1週間前から予約できることにしてしまうと、1週間先まで予約で埋まってしまう可能性があり、小児の発熱や皮膚科の帯状疱疹など、すぐに診てもらいたい患者さんへの対応ができないかもしれないと考えたからです。

導入当初は、特にインターネットが不慣れな患者さんから戸惑いの声もありましたが、診察の待ち時間が大きく減ったために満足度は高くなりました。順番制のときに多くの患者さんの対応に当たっていたスタッフの業務効率が上がり、残業が減ったことで人件費の削減にもつながりました。

症状が安定している患者さんには
オンライン診療で十分

ところが予約制に変えたことで、診察できる患者さんの数は減りました。順番制のときに診ていた患者さんの数は一日60〜80人でしたが、予約制にしたことで最大48人になりました。また、予約は前日19時から受け付けるのですが、早いときには受付開始5分で全ての枠が埋まってしまうため、なかなか予約が取れずに受診できない患者さんが出てきました。

ただ、患者さんの中には、「いつもの薬を処方してもらうだけでいい」という人もいます。例えば、小児のおねしょや便秘、喘息、皮膚科領域ではニキビの薬などです。こういった患者さんは、必ずしも対面診療する必要はないと考えています。さらに、予約制にしたことで、スムーズに診察が進んだときに「隙間時間」ができるようになりました。この隙間時間に、検査や詳細な診察が不要なオンライン診療を入れることができるのではないか、と考えるようになりました。そこで、オンライン診療のシステムであるMediTelを導入したのが2019年2月です。

実際、オンライン診療を受ける患者さんは比較的症状が安定しております。検査を行うわけではないので、診察にかかる時間は一人あたり5分程度です。これなら、1時間に1人オンライン診療を挟み込んでも、対面診察を予約している他の患者さんをさほど待たせることはありません。

オンライン診療については、予約を取るのが大変そうな人に勧めています。オンライン診療の予約は1ヶ月前からできるようにすることで、対面診察の予約とは区別を付けています。症状が安定している患者さんが対象なので、必ずしも直近に決める必要がないからです。また、クリニックに来るのが難しい人にも勧めています。例えば、平日は働いていて、お昼休みにオンライン診療を受けて、後から処方箋だけ受け取りに来る方がいます。小児科の場合、お子さんを何人も連れて来るのが大変だからという方には、オンライン診療のほうが適しているようです。

オンライン診療を導入するときは、受付スタッフにも事前に相談しました。ただ、オンライン診療の当日予約はできないようにしていて、スタッフがやることは、診察前に保険証などの確認、処方箋を受け取りに来た患者さんの対応、もしくは処方箋の郵送が追加される程度です。オンライン診療がスタッフの新たな負担とならないように配慮しています。

また、同じ建物内に父親が経営するクリニックがあるのですが、オンライン診療に興味をもっているようです。そちらでは主に内科を診ており、高齢者が多く予約制ではないのですが、平日働いていて薬だけ欲しいという患者さんへのニーズはあるかもしれないと話しています。

MediTelを導入した理由

クリニックも患者も無料で利用できる

オンライン診療を導入するとき、様々なシステムと比較しました。そのとき念頭に置いたのが、クリニックだけでなく患者にとってもコストにならないことです。オンライン診療を受ける患者さんは、対面診察の予約が取りにくいから、薬を処方してもらいたいだけだからという消極的な理由でオンライン診療を選択しています。そこで、料金が上乗せされると患者さんは使いたがらないと思います。MediTelはクリニックへの導入費や月額費だけでなく、患者負担も無料だったのが、MediTelを選んだ理由の一つです。

システムの柔軟性

システムを細かく設定できるのも自分の性に合っていると思います。もともと、電子カルテもスタッフが扱いやすいようMicrosoft Office Accessを使って設定していたので、設定を変更できることに抵抗はありませんでした。むしろ、設定を変更したいときに事業者に依頼するとなると時間がかかり、柔軟性に欠けると思います。これからはITに詳しい医師も増えると思うので、高い自由度はいいことです。タブレット端末(iPad)で動作することも、選んだ決め手になりました。

専用システムによる高画質

MediTelを使って思ったことは、通話するときの画質が非常に高いことです。導入時に他のシステムと比較検討するときに、無料のメッセージアプリで使えるビデオ通話機能でもいいのではないかと考えた時期もありました。でも、MediTelを使って画質の高さを実感したときには、専用のシステムを導入してよかったと思いました。個人情報を扱うので、NTTドコモさんという大手が手掛けている信頼感もあります。

小児科に合わせたシステムもほしい

MediTelを導入した当初はトラブルがいくつかありましたが、MediTelサポートさんには丁寧に対応していただきました。例えば、複数端末からクリニックの診療時間を設定したときに変更を受け付けなくなったときがありましたが、MediTelサポートさんに連絡して修正していただきました。また、オンライン診療を行うときに患者さんと通話できないときがありましたが、これについても状況を調べていただきました。その結果、一部のスマートフォンでは内蔵スピーカーがないために、ビデオ通話で患者さんがこちらの声を聞き取りにくいことがわかりました。そのため、クリニックのウェブサイトにあるオンライン診療受付のページに「一部のスマートフォンでは音声が聞き取りづらい場合があります。イヤホンのご利用をお勧めします」という文章を記載しました。現在は問題なく診療できています。

こういった些細なトラブルについては、もしかしたらMediTelサポートさんに依頼するよりもユーザー(医師)内のコミュニティを作り、そこで質問を出し合って答えてもらうほうがスムーズに解決できるかもしれません。オンライン診療は、実際に現場で使われるようになってからまだ日が浅いので、いろいろな使い方が登場してほしいと思っています。

今後の要望としては、予約一覧の画面にカルテ番号も表示していただきたいです。また、小児科ならではの課題かもしれませんが、対象が子どもの場合、決済額がゼロ円なので請求履歴に残らず、オンライン診療の実績がない仕様になっています。ここは今後改善していただきたいと思います。

小児科・皮膚科にもオンライン診療のニーズはある

オンライン診療を導入するときには、導入前と導入後の状況を比較して、十分に検討してほしいと思います。当クリニックの場合、オンライン診療ありきで導入したのではなく、予約制を導入した後でより多くの患者さんを診たいという理由があってオンライン診療を導入しました。導入コストを考えることは当然ですが、施設側と患者さんのメリットをよく考える必要があります。

オンライン診療費が保険収載されるかもしれないと話題になった頃、小児科や皮膚科でもオンライン診療を導入したところがいくつかあったようです。ところが現在は保険適応となる疾患が一部に限定されており、オンライン診療を取り止めた小児科・皮膚科が多いと聞いています。これはもったいないと思います。小児科・皮膚科の領域でもオンライン診療のニーズは確実にあると感じているからです。特に小児科の場合、お子さんをオンライン診療で診てもらうことに親が慣れれば、今度は親自身が何かの疾患のときにオンライン診療を受けてみようと考えるようになるかもしれません。オンライン診療の需要が今すぐに増えるわけではありませんが、ニーズに対応することできっかけ作りになるのではないでしょうか。

小児科や皮膚科においては、オンライン診療は診察のハードルを低くして、相談窓口として機能させていければいいと考えています。薬を処方してもらうだけで済むのか、クリニックで細かい検査を受けたほうがいいのか、患者さんご自身だけでは判断できない場合があります。そのときに、まずはオンライン診療を受けて、クリニックに来てもらう必要があるかどうか判断できるようになれば、患者さんにとっても接しやすいものになると思います。

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